本事例は、単元内で一斉学習と自己調整学習の両方を取り入れた実践例です。
ここでは、一斉学習として行ったことと、自己調整学習を意識して取り組んだ内容をそれぞれ紹介します。

一斉学習
〈導入〉
本時の課題を提示し、どのように課題を解決していくかについて児童とともに考えながら全体で統一しためあてを立てます。

〈展開〉
まず、基本問題を全体で解きます。この段階では、黒板とノートを使ったアナログな手法で進めます。
次に、グループでジャンプ(応用)問題に挑戦します。ジャンプ問題は、あらかじめ準備しておいた課題を、スクールタクトのグループ課題機能を使って配布します(電子黒板でも同時に提示します)。
児童は、グループで協力しながらスクールタクトのキャンバス上で課題を解きます。その際、ノートやホワイトボード、黒板などほかのツールも自由に使って良いルールにしているため、グループで相談しながら「何を使って学ぶか」を決めています。

活動中、ほかのグループと協力することもあります。その際は、共同閲覧または共同編集モードに切り替えます。
各グループの進捗状況を見ながら、全体共有の時間へと移行します。スクールタクトの画面で解答を作成したグループが発表する際は、実際にキャンバスを操作しながら説明します。聞き手の児童は、手元のタブレットでその操作をリアルタイムで見ながら発表を聞きます。
〈まとめ〉
振り返りをスクールタクトで入力し、それを同じ課題内に蓄積していきます。振り返りを書くときのポイントを明記し、それが振り返りAI分析のどの観点に当てはまりやすいかも示しておきます。そうすることで、振り返りAI分析を確認した後、「このポイントについても書こう!」といったように、振り返りの文章も自己調整することをねらっています。

自己調整学習(問題指定型)
〈導入〉
1時間に学習する内容の要点を、10分間のミニレッスンとして伝えます。ここでは電子黒板、黒板、ノートを使いながら、講義形式でスピーディーに進行します。
その後、児童は複数あるジャンプ課題(難易度別にジャンプ、ハイジャンプ、ウルトラジャンプ)の中から、自分が挑戦したい問題を選びます。

児童と共有している表計算ソフトを使って、ミニレッスンの理解度(「助けて!」「もう一息」「わかった!」の3択)と、挑戦するジャンプ問題を共有します。
〈展開〉
「誰と」「どこで」「どのように」「何を使って」ジャンプ問題に取り組むかは、基本的に自由としています。ジャンプ課題はスクールタクトで別課題として配布しています。共同編集モードにしているため、その場で「一緒に解こう!」と同意した友達同士もスクールタクト内で共同編集が可能です。また、アナログのやり方が合っている児童もいるので、スクールタクトの課題ページをA3用紙に印刷したものもそれぞれ10枚ほど度用意しておきます。ほかにも、スクールタクトで課題を見ながら、ホワイトボードやノートに書いている児童もいます。
進め方を決めたら表計算ソフトを見て、友達の理解度や選んだ問題を確認したり、自分の理解度や挑戦する問題と比べたりしながら、まずめあてを立てます。その内容をスクールタクトに入力します。
キャンバスを共同閲覧モードに設定しておくことで、児童は友達がどんなめあてを立てているかを確認でき、協働的な学びに繋がります。
教員は児童一人ひとりのめあてを確認し、机間指導に活かします。その際、めあてと活動内容が完全に一致していなくても、学びに向かう姿勢を尊重します。

ジャンプ問題に取り組んで10分くらい経ったころに、全体で今の自分自身の学びを振り返らせます。「めあてからズレていないか」「学び方は適切か」「残り時間でめあては達成できるか」について確認した後、活動を再開させます。

〈まとめ〉
振り返りをスクールタクトで入力し、それを同じ課題内に蓄積していきます。振り返りを書くときのポイントを明記し、それが振り返りAI分析のどの観点に当てはまりやすいかも示しておきます。そうすることで、振り返りAI分析を確認した後、「このポイントについても書こう!」といったように、振り返りの文章も自己調整することをねらっています。
