GIGAスクール構想がスタートして数年が経過し、学校現場では一人1台端末の活用が日常的になってきました。しかし一方で、「いろいろなアプリを使ってみたけれど、使うことが目的になっていないか?」「本当に児童生徒の力になっているのだろうか?」と、日々のICT活用にモヤモヤを感じている先生もいらっしゃるのではないでしょうか。
2026年3月11日に実施した本イベントでは、スクールタクト認定マスターゴールドであり、埼玉県坂戸市の公立中学校で社会科を担当する増田翔太先生(イベント実施当時)をゲストにお迎えし、「児童生徒にとって本当に効果的なICTの活用とは」をテーマにお話しいただきました。
この記事では、イベントのエッセンスをダイジェストでお届けします。具体的な授業実践の事例やツールの使い分けの詳細は、文末のリンクからアーカイブ動画でぜひご覧ください!
ICT活用は「手段」。山の頂上(目標)から逆算する授業づくり
GIGAスクール構想の開始当初は、先生も生徒も新しいツールへのワクワク感があり、授業でICTを使うこと自体が目的になりがちでした。増田先生はそんなご自身の反省も踏まえ、現在は「どんな力をつけさせたいか」という目標(山の頂上)から逆算して、単元全体の道筋を見通して授業を設計することを大切にされています。

※増田先生のご発表資料より
社会で求められる力を「OS(土台となる力)」と「アプリ(各ツールを使うスキル)」に例え、学習指導要領に基づいた土台となるOSをしっかり育成する授業デザインが重要だと話します。ツールを使うこと自体が「学び」なのではなく、目的を達成するための手段として捉え直す視点は、日々の授業準備のヒントになりそうです。

※増田先生のご発表資料より
デジタルとアナログの「ベストミックス」とは?
では、具体的にどのようにツールを選べば良いのでしょうか。増田先生は、デジタルかアナログかの二元論ではなく、それぞれの強みを活かした「ベストミックス」を提唱します。
- アナログ(紙)の役割:手元にある安心感や、全員に同じ情報をインプットさせる確実性が強みです。また、じっくり資料を読み込んだり、自分自身の頭で深く考えたりする課題には、あえて紙を使用することも多いそうです。
- デジタル(スクールタクト)の役割:圧倒的なスピードと共有のしやすさが、スクールタクトの最大のメリットです。増田先生は、この効率性によって生まれた「余白」の時間を、アナログで泥臭く生徒に寄り添う時間や、本質的な思考・対話の時間に充てているといいます。
スクールタクトを使った具体的な実践例
イベントの後半では、スクールタクトを活用した具体的な事例が多数紹介されました。
- 挙手発表の代わりに 一部の生徒だけでなく全員の意見を瞬時に可視化します。当てられるのが苦手な生徒にとっても、心理的安全性のある場づくりにつながります。
- デジタルと紙の往復 話し合いや思考の過程は紙(プリント)でじっくり行い、最終的な結論だけをスクールタクトで提出させるなど、目的に応じてツールを行き来する実践も紹介されました。
- PDFへの直接書き込み テストの解き直しなどで、PDFを取り込みスクールタクト上で直接書き込ませることで、プリント配布・回収の手間を削減し、生徒の「学びを止めない」工夫をされています。

※増田先生のご発表資料より
詳細はぜひアーカイブ動画で!
「生成AIなどで成果物をいとも簡単に作れてしまうこれからの時代は、なぜそのツールを使うのか、どんな場面で使うのかという見極めがより一層大事になる」と増田先生は語ります。成果物を作るためだけではなく、思考の過程をICTでサポートするという考え方は、GIGAスクール構想を経て、多くの先生方にとって共感できる視点ではないでしょうか。
アーカイブ動画では、今回ご紹介した内容に加えて、実際に増田先生が実践されている導入(掴み)の工夫や、生徒の興味を惹きつける問いの作り方なども収録されています。
日々の授業デザインやICT活用に行き詰まりを感じている先生、なんとなくの活用から一歩抜け出したい先生は、ぜひアーカイブ動画から明日の授業づくりのヒントをお持ち帰りください!