この実践事例は、1年間の歴史学習の総まとめとして位置づけ、全4時間で構成しました。
教師の指示に頼るのではなく、児童が自ら学習計画を立てて人物の探究を進め、その人物を通して時代を解釈し、最終的に「自分の読み」として説明できるようになることを目指した実践です。
各画像に記載のページ数は、最下部のコメント欄に記載しているページ数と対応しています。
※この実践は、向山洋一氏の実践をスクールタクトを活用した形にアレンジしたものです。
(文献:向山洋一(1999)『知的追求・向山型社会科授業』明治図書)
〈導入〉第1時
まず、学習の全体像を把握するために、『人物調べ』の目的や学習の流れ、ルーブリックを全体で確認しました。その後、前回学習した時代がどのような社会だったかを簡単に振り返りました。次に、これから学ぶ時代について、教科書や資料、動画などを活用してミニレッスンを行い、児童の関心を高めました。
その後、その時代を一言で表す表現をクラス全体で話し合い、スクールタクトに記入させます。最後に、その時代を代表する人物を一人提示し、学習の見通しを持たせました(代表する人物が複数いる場合は一人選択します)。

〈展開〉第2~3時
①【情報収集】まず、提示された人物が行ったことや関連するエピソードを、図書資料やインターネットを使ってできるだけ多く集めさせました。集めた情報は、後で整理しやすいように、一つひとつ付箋ツールを使ってスクールタクトのキャンバスに書き込ませました。
②【整理·分析】集めた付箋の情報を見て、その人物が「何を成し遂げようとしたか」を考え、自分の言葉でキャンバスにまとめさせました。この時点では完璧でなくてもよく、後で自由に変更してよいことも伝えています。
③【整理·分析】次に、②で立てた「人物像」を最もよく表している・証明しているエピソードを3つ選んで、ランキングを作成させました。
④互いの考えを深めるため、共同閲覧モードで友達が選んだエピソードやランキングを見せ合い、なぜそのエピソードを選んだのかを伝え合いました。友達の意見を聞いて、記入したエピソードを変えたり、ランキングを入れ替えたりする姿も見られました。

⑤【まとめ・表現】 最後に、選んだベスト3のエピソードについて、収集した情報をもとに分かりやすくまとめさせました。

〈まとめ〉第4時
その人物がどのように生きようとしたか、それを証明するエピソードは何か、なぜそのエピソードを選んだか、友達と伝え合い、考えを交流します。
