導入前の課題 | |
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1 | 机間巡視のみでクラス全員の取り組み状況を把握するのが困難 |
2 | 板書をノートを書き写すことばかりに必死になっている生徒が多かった |
導入後の効果 | |
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1 | 生徒の理解度をリアルタイムに把握しながらの授業進行が可能になった |
2 | 授業中の板書量を削減 生徒はより先生の説明に集中できるようになり、授業進度もアップ |
白金高輪というアクセス抜群の立地に地上6階、地下3階の校舎を構える東海大学付属高輪台高等学校・中等部。高校・大学7年間の一貫教育を実践しており、ICT教育にも力を入れています。今回はICT導入を牽引する立場である高橋光太先生(教頭補佐・教務主任)と、宮田和舞先生(担当科目:化学)、數馬大介先生(担当科目:国語)にお話を伺いました。
※東海大学付属高輪台高等学校・中等部様でご利用いただいているサービスの名称はClassiNOTEです。ClassiNOTEは、Classiユーザー用に提供しているスクールタクトの別名称です。システム上の違いはありません。
机間巡視の効率化とペーパーレス化を同時に実現
―まずはスクールタクト導入のきっかけを教えてください。
高橋:本校では、ICTを通じて解決したい課題が2つありました。
1つ目は机間巡視の効率化です。クラスの人数によっては生徒一人ひとりの取り組み状況を机間巡視で把握することに限界を感じていました。そのため、ICT導入に際してはクラス全員の様子をリアルタイムで簡単に把握できることを期待していました。
2つ目はペーパーレス化です。紙をあまり使わないようにという学校長の方針もあり、プリントやノートの代わりにタブレット上で生徒や先生が書き込めるものを探していました。
さらに、生徒が板書をノートに写すことばかりに必死になっている状況を変えたいとも思っていました。板書が減らせれば生徒はより授業に集中でき、授業効率が上がるのではないかと考えていたからです。
高橋光太教頭補佐・教務主任
―スクールタクトを導入してよかったと思うことはなんですか?
高橋:教員の端末で生徒の回答の様子がリアルタイムに把握できるので、誰がどこでつまずいているのかがすぐに分かるのが良いと思います。
宮田:授業中、自分から手を上げることはないけれど、興味深い意見を持っている生徒を見つけやすくなりました。生徒の回答をクラス全体で共有するのも簡単です。
プリントの印刷や保管の手間がかなり減ったのもよかったです。生徒がプリントをなくす心配もありません。課題の提出・未提出もすぐ分かるので、集計作業の負担も減りました。
宮田和舞教諭、數馬大介教諭
脱板書で授業のスピードアップ、生徒の積極性も向上
―授業では具体的にどのように活用されていますか?
宮田:スクールタクト導入前の授業は、ワークシートを印刷して生徒に配布してから授業を進める形でしたが、今はスクールタクトで事前にワークシートを配布しています。自分の考えをスクールタクトに書かせることも多いです。例えば浸透圧の授業の導入で「ナメクジに塩をかけるとどうなる?」という問いかけを行い、生徒にはスクールタクトに自分の考えを書いてもらいます。その場で生徒たちの理解度を把握した上で授業を進行できるのがいいですね。
スクールタクトで授業導入時の問いかけを実施、先生の手元で生徒全員の理解度がすぐに分かる
數馬:小論文の授業では参考資料やワークシートをスクールタクトで配信しました。スクールタクト上に文章を書かせることもあります。授業中に生徒たちが板書を写す作業がなくなったことで、授業の展開が速くなりました。これにより、今までは時間が足りずになかなかできなかったペアワークなどができるようになりました。私の場合、手書きよりタイピングの方が圧倒的に速いので、生徒の回答にコメントを書くときも便利です。
自分の考えがびっしりと書かれたキャンバス 青字は數馬先生のコメント
―スクールタクト導入後、生徒にはどのような変化がありましたか?
高橋:お陰様で生徒数が例年よりも増えているにもかかわらず、タブレット導入済みの1・2年生は全体的に落ち着いて授業に臨んでいる印象です。授業で使う資料は事前にスクールタクトで配布しているので生徒は教員の説明に集中できますし、板書の量が減ったことで、ノートに書き写すスピードが遅いために授業についていけなくなるケースが少なくなりました。
宮田:自分の意見を書く習慣がついてきたことで、課題に対してこれまで以上に積極的に取り組む姿勢が見られるようになりました。
―試験対策ではどのように活用されていますか?
宮田:試験が近づいてくると、スクールタクトを見ながら問題集を開いたりしている生徒も見受けられます。従来のワークシートやノートと同じ位置づけで使っているようです。
「タブレット世代」だから、みんなでやってみよう
―どのような段階を踏んでスクールタクトを導入されましたか?
宮田:まずはスクールタクトで感想や意見を書いてもらうことから始め、前期の中間テストが終わったあたりから、日常的にスクールタクトを使っていくスタイルになりました。当時は、生徒たちがどんな反応をするだろうかと不安だったのを覚えています。
―不安がありつつも、スクールタクトメインの授業に切り替えることができた理由は何ですか?
宮田:今までのやり方をあまり変えないでやっていこうと意識していました。例えば、これまでのワークシートを使うという個人的な方針もその一つです。あとは、生徒たちがスクールタクトに対して難しいと感じないように気をつけました。まずは穴埋めしていくだけ、意見を述べるだけというように。
數馬:時代の流れというか、先生も変化していくから、みんなも変化していこうというスタンスでした。導入当初は「紙がいい」という生徒もいましたが、「君たちはタブレット世代だから!」と根気よく繰り返してきました。今はずいぶん慣れてきたように思います。
―先生の授業準備に変化はありましたか?
宮田:スクールタクトを使って初めて実施する授業の準備は例年より時間がかかります。ただ、課題の使い回しができ、画像の差し替え等の修正にかかる手間も少ないので、一度準備してしまえばその後はかなり楽になりそうです。
―スクールタクト導入に際して、学校からは何か方針が示されましたか?
數馬:スクールタクトの使用を強制されるということはなく、「使えるときに使ってもられえば」という方針だったと思います。若い先生は特に活用に積極的で、席が近い先生や同じ教科の先生同士で「どういう風に使ってるの?」と聞き合ったり、ワークシートを共有したりしています。普段から先生同士の仲が良いことも影響しているかもしれませんね。
―最後に、今後スクールタクトを使って実現したいことを教えてください。
高橋:私が作ったプリントを卒業後も持っていてくれる生徒がいるんですが、紙は劣化してしまうし、かさばります。スクールタクトならPDF化して残しておけるのがいいと思います。生徒たちが将来必要になったタイミングで、高校時代の取り組みを見返すこともできますよね。今後は、完全にタブレット1つで授業が完結できるようになるといいなと考えています。
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東海大学付属高輪台高等学校・中等部
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東海大学付属高輪台高等学校・中等部
東海大学の建学の精神の理念に基づいた教育方針で、高校・大学7年間の一貫教育を実践する東海大学付属高輪台高等学校・中等部。人生の基盤となる正しいものの見方と考え方を養い、文系・理系をバランスよく学習する文理融合教育を展開しています。
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