2026年2月7日、オンラインイベント「学び合いサイクルのデザインをスクールタクトで~『対話する教室』のその後~小6算数と国語の事例紹介」を開催しました。本イベントでは、愛媛県西条市立神拝小学校の山下楓馬先生をゲストにお迎えし、子供たちが「単元を通して見通しを立て、自己調整しながら学ぶ」授業について、小学校6年生の算数と国語におけるスクールタクトの活用事例を交えてご紹介いただきました。

子供たちが目指す「学び合いの姿」

前回ご登壇いただいた夏以降、山下先生のクラスでは、「6年生あるある」で、授業中に子供たちが落ち着かない時期があったそうです。そんな時に山下先生は、子供たちと「そもそも授業とは何のためにあるのか」「今取り組んでいる自己調整学習とは何か」などについて1時間じっくりと対話を行いました。子供たちからは「協力して問題を解く」「友達と答えを導き出す」といった姿を目指していこうという意見が出たそうです。

それでは、山下先生のクラスの自由進度学習x学び合いの様子を見てみましょう。

他者は「自分の学びにとって必要なパートナー」

算数の自由進度学習では、先生が必ずおさえたい内容を10分に凝縮して伝える「ミニレッスン」の後、子供たちが自身の理解度にあわせて、スクールタクトで配布された挑戦したいレベル(ジャンプ、ハイジャンプ、ウルトラジャンプ)の問題を選択します。 イベントの中で紹介されたのはある日の算数の授業でのAさんの動きです。Aさんは最も難しいレベルの問題に挑戦。まず自分一人で考えた後、何人かのクラスメートと話し合い、その後また自席に戻って学習を進めていました。このように、山下先生のクラスの子供たちは、個別最適な学びと協働的な学びを行き来しながら学んでいます。

山下先生のクラスの自由進度学習の進め方

※山下先生のご発表資料より

Aさんはミニレッスンの後、めあてに「もしわからなかったら、同じ問題を選んだ友達のところに行って解決する」と記していました。このことから、Aさんが他者を自分の学びのために必要なパートナーとして認識していることが分かると山下先生は言います。4月と12月に山下先生が行ったアンケートによると、「授業や学校生活では、友達や周りの人の考えを大切にして、互いに協力しながら課題の解決に取り組んでいますか?」という問いに対して「よくできている」と回答した子供の数が大きく伸びたそうです。

※山下先生のご発表資料より

Aさんやその他の児童のこの授業での振り返りも紹介されました。「◯◯がわかった」「◯◯が大切」などの振り返りではなく、自分の考えた道筋や、友達との学び合いがあったからこそ難しい問題に取り組むことができたことなどが書かれています。自分でゴールを決め、自ら方法を選びながら学ぶ経験を積み重ねてきたことで、自分の学びについて自分の言葉で語れる児童が増えてきたそうです。

振り返りの変化

※山下先生のご発表資料より

単元丸ごと、子供たちと探究的に作る授業

山下先生は、スクールタクトの最大の強みは「リアルタイムに学び合いを可視化できること」だと話します。スクールタクトを活用し始めた当初は、穴埋め式のワークシートを作り込み、重要なキーワードを子供たちが入力していく形式で活用していた山下先生。ある時、これではスクールタクトの強みを活かしきれていないのではないかと感じたそうです。

山下先生が目指すのは、子供たちが自ら学びのハンドルを握ること。子供たちが単元を通して自ら見通しを立て、ゴールに向かって自己調整しながら学んでいくことができるよう、授業をデザインしています。単元を通して見通しを立てることにより、授業は探究的になっていったと変化を語ります。

例えば6年生国語の「ブックトークをしよう」という単元では、子供たちが前向きに取り組める親しみやすい課題になるよう「本紹介系YouTuberになろう」とゴールを設定。先生が一方的に課題を与えるのではなく、子供たちと対話しながら「動画を作るためには何が必要か(本の魅力を抽出、要約、原稿作成)」を考え、スクールタクト上で課題を子供たちと一緒に作っていきました。それをもとに、子供たちはそれぞれのペースで学習を進めていったそうです。

単元丸ごと子供たちと作った授業

※山下先生のご発表資料より

おわりに:自らの学びの舵取りができる子供たち

自分の学びに欠かせない他者との学び合い、そして単元丸ごと子供たちと一緒に作っていく授業を通して、山下先生のクラスの子供たちは、自らの学びを見通し、ゴールに向かうための道筋を描き、方法を選択し、実行する力、そして学んだことを振り返り言語化して次に繋げる力を身につけている様子が伺えます。

イベントの詳しい内容は、アーカイブ動画でご覧ください!

山下先生がこのような授業デザインにおいて、スクールタクトをどのように活用してくださっているか、ぜひ動画で詳しくご覧ください。