2025年8月23日、オンラインイベント「新しい学校での挑戦!スクールタクト『はじめの一歩』」を開催しました。
ご登壇いただいたのは、昨年度のイベントで自由進度学習の実践をご紹介いただいた神奈川県の公立小学校教諭、梅村周平先生。梅村先生は、今年度からスクールタクトを導入したばかりの新しい学校へ異動されました。本イベントでは、研究主任・ICT担当として、スクールタクトを初めて使う先生方と子供たちと共に活用を進めてきた1学期の実践をご紹介いただきました。
ICTの活用が進まないのはなぜ?!
梅村先生はこれまでも研修担当やICT担当をされることが多く、校内でほかの先生方に「やりましょうよ!」と言う役割を担ってきたそうです。同じような立場にある先生方とも話をする中で、ICT活用が進まない背景には、先生方の多忙さや、ICT活用に対する漠然とした不安などの課題があると言います。
一方、そもそも何のためにICTを活用するのかに立ち返ってみると、「誰一人取り残さない個別最適な学びの実現」や「情報活用能力などの資質能力の育成」が重要だと指摘。ICTに苦手意識を感じている先生方とも、ICTを活用する目的を含めて対話をしながら活用を進めていきたいと話してくださいました。
1. スクールタクトを初めて使う先生方との活用推進:3つのポイント
まずは先生方との活用推進についてのお話からスタート。先生方がスクールタクトの活用に一歩踏み出すための仕掛けをご紹介いただきました。
夏休み中のミニ勉強会では、自己紹介を通してスクールタクトの基本操作(写真挿入、オブジェクトの移動、共同閲覧モード、いいね・コメント機能など)や共同閲覧の楽しさを体験してもらい、校内研究では、研究授業の指導案をスクールタクトで配布したり、研究協議をスクールタクトで実施したりと、定期的にスクールタクトに触る機会を用意。自身の授業も公開し、どの授業でも一度はスクールタクトを活用するようにしたそうです。

※梅村先生のご発表資料より
こうした取り組みを踏まえ、先生方に活用を広めるために梅村先生が特に重要視する3つのポイントは以下の通りです。
・「すぐに使える」
先生方が「使ってみたい」と思った時に、端末やアカウントがすぐに利用できる環境を整えておくこと。
・「すぐに見られる」
梅村先生自身のスクールタクトを活用した授業をいつでも見学可能にし、活用イメージを具体的に持てる機会を提供すること。
・「すぐに聞ける」
困った時に「いつでも質問に答えます」というスタンスで、すぐに相談できる存在となり、先生方がICT活用を諦めてしまうのを防ぐこと。
2. スクールタクトを初めて使う子供たちとの活用推進:3つのポイント
子供たちへのスクールタクトの活用推進は、先生方への推進よりも「圧倒的に早く進む」と梅村先生。
6月にスクールタクトを使い始める際には、どんな文章を書き込むのが適切か(国語の授業でのコメントだからきちんとした文章にする、絵文字は使わないなど)、どんなコメントをもらったらうれしいかなど、クラスの子供たちと相談しながら活用を進めていったそうです。

※梅村先生のご発表資料より
梅村先生が考える、子供たちとICTの活用を進めるためのポイントは以下の3つです。
・「使い方を子供たちと一緒に考える」
ルールを一方的に押し付けるのではなく、子供たちとの対話を通じて、スクールタクトの利用ルールやマナーを共に作り上げていくこと。
・「制限よりもどんどん使ってみて!」
「ティンカリング」(いじくり倒す、遊び尽くす)を推奨。「これはやってはいけない」と制限するのではなく、子供たちが自由に機能を探索し、自ら発見・活用する機会を促すこと。
・「トラブルは起きるもの」
ICT活用におけるトラブルは避けられないものと捉え、小さな問題が発生した際には、子供たちと共に解決策を考え、学びの機会とすること。
終わりに:子供たちの笑顔のために、子供たちと共につくる授業
昨年度の自由進度学習のイベントでも「子供たちの声を聞きながら一緒に作り上げていくことが大切」と話してくださった梅村先生。今回お話しいただいたスクールタクト導入初期の実践においても、子供たちを信じ、子供たちと共に考え作っていくという考え方は共通していました。梅村先生の学校では、もっとスクールタクトを使ってみたいという先生が増えてきているそうです。梅村先生は、2学期は自身も思いつかなかったような活用の仕方や、子供たちの笑顔を見つけにいきたい、とイベントを締めくくりました。
▼本イベントの詳しい内容は、アーカイブ動画でご覧ください!