2026/7/24、オンラインイベント「『使い方』研修はゼロ!スクールタクトが自然と広がる仕掛け〜導入から2年目の学校の今〜」を開催しました。
登壇者は、神奈川県の公立小学校教諭である梅村周平先生。
梅村先生は、約8年前から自由進度学習の実践に取り組まれ、前任校から継続してスクールタクトを活用されています。現在の勤務校では、研究主任という立場から校内研究や研修の中にスクールタクトを取り入れ、校内での活用の輪を少しずつ広げてこられました。
今回のセミナーでは、スクールタクト導入から2年目を迎えた学校の現在地をもとに、「校内でどのように活用が広がっていったのか」「無理なく活用を広げるために、どのような仕掛けがあったのか」についてお話しいただきました。
「使い方研修」ではなく、使う場面から広げる
梅村先生の学校では、昨年度、スクールタクトを導入したばかりの先生方に向けて、自由参加のICTミニ勉強会を行いました。しかし、学校の中で新たに研修や会議の時間を増やすことは簡単ではありません。
そこで今年度は、「スクールタクトの使い方」を学ぶための研修はあえて行わず、普段の校内研究の中でスクールタクトの利活用を推進しようと考えました。
例えば、第1回の校内研究では、レジュメをスクールタクト上で共有したり、スライド資料を配布したり、先生方の気付きや考えを入力する場を用意したりしたそうです。他校から異動された先生など、慣れないツールを使うことに不安を感じる先生もいる可能性もあったため、紙の資料も用意しながら、「どちらでも良いですよ」と選べる形にしたそうです。

梅村先生のご発表資料より
梅村先生が意識したのは、先生方に児童の立場でスクールタクトを体験してもらうことでした。
授業で子供たちにスライドを配布したり、考えを書き込む課題を用意したり、資料やリンクを共有したりするのと同じように、校内研究でも先生方にスクールタクトを使ってもらう。そうすることで、先生方は「子供からはこう見えるのか」「この機能は授業でも使えそうだ」と実感しながら、自然に操作を覚えていくことができたそうです。
また、研究授業後の協議でも、グループごとに課題を用意し、先生方が付箋機能を使って気付きや意見を出し合うようにしたとのこと。
さらに、研究授業の指導案や講師の先生の資料、先生方の振り返りもスクールタクト上に残しておくことで、校内研究の学びが1つの「部屋」に蓄積されていきます。研修が終わった後に「あれ、前回は何を話したんだっけ」となった時も、スクールタクトを開けば確認できます。単発の研修で終わるのではなく、学びを積み重ねていく場所としてスクールタクトを活用している点が印象的でした。
「使い方を教える」のではなく、「使う場面を作る」。
この発想が、スクールタクトの活用を校内に広げる大きなきっかけになっていました。
教材の蓄積が、次の先生の一歩を支える
活用が広がった2つ目のルートとして、梅村先生は「教材の蓄積」を挙げました。
昨年度、梅村先生は6年生を担当し、スクールタクトで多くの教材を作成・配布していました。今年度は梅村先生が4年生を担当することになり、6年生の担任は別の先生方になりました。
今年度のスクールタクトの活用状況を見てみると、梅村先生よりも多く課題を配布している先生が2人いたそうです。しかも、その2人はいずれも6年生の担任でした。
梅村先生は、昨年度自分が作った教材が、今年度の6年生の先生方に引き継がれているのではないかと考え、実際に話を聞いてみたそうです。すると、先生方からは「同じ学校の先生が作った教材は使いやすい」という声が返ってきたそうです。

梅村先生のご発表資料より
同じ学校の先生が作った教材は、その学校の子供たちの実態に合っていて、学習内容の難易度や進め方も、目の前の子供たちに近い感覚で作られているため、次の先生にとっても使いやすいものになるとのことでした。
もちろん、すべてをそのまま使うわけではありません。スクールタクト公式の課題テンプレートやほかの先生が作成した課題を複製し、自分の学級にあわせてアレンジすることもよくあるそうです。
スクールタクトの活用は、その時間、その学級だけで終わるのではなく、次年度の先生や別の学年の先生にもつながっていくことがわかりました。
「隣の先生」から「次の先生」へ、実践のバトンがつながる
活用が広がった3つ目のルートは、「隣の先生から次の先生へ」という広がりです。
梅村先生の学校では、同じ学年の先生同士で、お互いが作った課題を自由に使える関係性ができていました。先に授業を行った先生が作った課題を、次に授業を行う先生が複製して少しアレンジする。そのアレンジをまた伝え合いながら、「この使い方いいですね」と学び合っていく様子があったそうです。

梅村先生のご発表資料より
さらに印象的だったのは、昨年度、梅村先生にたくさん質問していた先生が、今年度は別の先生に使い方を伝える側になっていたというエピソードです。
1年目は、ICT担当や詳しい先生に質問が集まりがちです。しかし、2年目以降になると、使える先生が少しずつ増えていきます。すると、わからないことがあった時に、ICT担当だけでなく、隣の先生や同じ学年の先生にも聞けるようになります。実際、梅村先生は、今年度は自分に質問に来る先生がほとんどいなくなったと話していました。
一人の先生が頑張って広げる段階から、先生同士で実践のバトンが渡っていく段階へ。
スクールタクトの活用が自然に広がっていく過程には、このような校内の関係性が大きく関わっていることが伝わってきました。

梅村先生のご発表資料より
本イベントでは、スクールタクトを校内で自然に広げるための具体的な工夫を、導入2年目の学校のリアルな姿とともに紹介していただきました。
「使い方研修」を増やすのではなく、普段の校内研究や授業づくりの中に使う場面を作ること。教材を蓄積し、共有し、アレンジしながら学年や学校全体で活用すること。隣の先生同士で実践を伝え合い、わからない時に聞ける人を増やしていくこと。
どれも、少しずつ取り入れられそうな工夫ばかりでした。
アーカイブ動画では、梅村先生の学校で実際に使われている画面や、先生方・子供たちの具体的な活用の様子もご覧いただけます。スクールタクトの活用を校内で広げたい先生方、導入したばかりで次の一歩に悩んでいる先生方は、ぜひご覧ください。