「生き生きとしたさわやかな子」の育成を学校教育目標に掲げている上尾市上平北小学校(埼玉県)。上尾市で取り組んでいる学校ICT推進プロジェクトの一環として、「ICT端末を活用した授業」が6年生の教室で行われ、研究授業と協議会を見学させていただきました。

上尾市上平北小学校(埼玉県)

スクールタクトで思考を整理

 6年生国語の「話し言葉と書き言葉」の授業。ムーブパーツであらかじめテキストを用意し、児童は画面を指で操作しながら「書き言葉」と「話し言葉」の特徴を分類していきました。

スクールタクトで思考を整理

 後半の活動では、Chromebookのカメラ機能を使って、キャンバスに画像を貼っていきました。6年生なのでタイピングして入力することもできますが、学校ICT推進プロジェクトの提案授業として、小学校1年生から中学校3年生までどの学年でも活用できることを想定し、「ノートに書いた記述をカメラで撮って、画像ファイルをキャンバスに貼り付ける」ことをあえて授業に取り入れたとのことでした。

ICTを効果的に使うために

 上尾市における学校ICT推進プロジェクト部会は、市内の小学校・中学校からプロジェクト部会員となった先生方が、授業や校務におけるICT端末等の効果的な活用方法についての研究や、推進方法についての考察、また情報モラル教育の充実を目指す取組などを研究する目的で組織された部会です。
 協議会では、授業者の先生に対して、ICT活用のポイントや、デジタルとアナログの併用について質問が挙がり、グループごとの話し合いの時間では、研究授業を受けて、学習効果を高めるICTの活用について熱く議論が交わされました。

 グループごとの話し合いの中では、「学年に応じてICTスキルを育成している」といった実践が紹介され、小学校3年生までは写真撮影や手書き入力を軸に活動を行い、4年生以降は、タイピング入力をしたり、文字認識機能を使った手書き入力や、音声入力を活用していることが報告されていました。
また、スクールタクトにある「ワードクラウド」によって、児童生徒の文章がテキストマイニングで表示され、道徳の授業などで意見を簡単に可視化できることや、「回答一覧」でお互いの意見をすぐに共有できることなど、スクールタクトの活用方法が共有されていました。

 最後に、上尾市教育委員会の指導主事から、「本時のねらいを達成するために『ICTを効果的に活用する』ための研究をしていきます。『ICTを使うことを目的とする』ことを目指していません。学習効果を高めるために、スクールタクトの様々な機能を効果的に活用していってください」と話がありました。
 その上で、スクールタクトにある「共同閲覧モード」を使ってお互いの考えを見合いながら「協働的な学び」を実現したり、タイピング入力や音声入力など幅広い入力方法を保障することで「個別最適な学習」を実現したりしていくことの大切さなどを話されました。そして、「今までの教育実践を否定するのではなく、ICTに置き換えることによって学習効果が高まるところを変えていくという視点に立っていってほしい」と、より効果的なICTの活用を呼びかけました。

<編集後記>
 授業見学、協議会に参加させていただき、途中の休憩時間には、多くの先生からスクールタクトのご質問やご要望をいただきました。どの先生方も、よりよい授業を目指し、「どのようにスクールタクトを使っていけばよいか」と真剣に考え、意見を交流する様子に上尾市の「夢を育み 未来を創る 上尾の教育」の熱い思いを感じました。見学を受け入れてくださった上尾市教育委員会の皆様、先生方、大変にありがとうございました。