皆さんはスクールタクトで授業をする時、どんな「見取り」をしていますか?
また、児童生徒の変化や良かったところについて、先生同士でどのように・どれくらい共有されていますか?

スクールタクトを用いると、誰が・誰にどのくらいリアクションをしたか、リアルタイムで把握でき、さらに記録として残ります。
また、日々の取組み状況から個人の特徴や変化を見取るだけでなく、それを先生同士で共有できる仕組みがあります。

この度、今年度「見取り」を軸とした校内研究に取り組まれる啓明学園初等学校様にお邪魔し、スクールタクトを使った見取りのワークショップを実施しました。
「スクールタクトでどのような見取りが可能か?」という点だけでなく、ワークショップを通して先生同士がスクールタクトでお互いに意見を交わし、見取りそのものについて考えるきっかけ作りをさせていただきました。
その様子を、前後編に分けてお届けいたします。

ワークショップ風景1 ワークショップ風景1

〜啓明学園初等学校について〜

啓明学園初等学校では、2020年度にiPadを全校一斉に導入しました。
それに伴って、スクールタクトなどを活用した授業が活発に行われるようになり、1年間でICTの活用は飛躍的に進みました。
しかし、年度末に行った校内研究の振り返りでは、
「この学びを通して、子どもたちに本当に力がついたのか?」
「子どもたちの心に寄り添うことができていたのか?」
「子どもたちの学習・生活の様子をどこまで把握することができたのか?」
ということが、課題として挙がりました。
そこで、2021年度には「見取り」をキーワードとして掲げ、子どもたちの気持ちを大切に考えた授業作りを進めることになりました。
また、見取りを進めて行く上で、学習履歴が記録されているスクールタクトを活用することで、本校で目指している授業作りに近付くのではないかと考えました。

(啓明学園初等学校研究主任 杉山先生)

 

〜ワークショップの流れ〜

1.先生の授業での…

  • 理想の見取り
  • 得意なこと
  • 苦手なこと
  • 課題(こういうことをもっとしたい!)

 を教えてください

まずは、スクールタクトに問いへの回答を、先生方が一斉に記入します。
同じ学校で同じ児童に接していても、どこに着目するかという「視点」には、意外とばらつきがあるものです。
どの先生方も、時間いっぱいまで熱心に記入されていました。

記入にはシンキングツールのYチャートを使用記入にはシンキングツールのYチャートを使用

 

得意:
子どもの表情の変化を見ること、子ども同士の会話や関わりの観察、目に見える変化、発言をしない子どものちょっとした気付きを拾い、全体共有すること…

課題:
何を成長とするのかの分析、前例にあてはめて解釈することがある、状況を把握し、子ども達の意見をつなぎ合わせること、見取ったことの記録…

日々真摯に児童1人ひとりと向き合われている、啓明学園初等学校の先生方。
素敵な意見が続々と記入されていきます。

2.協働閲覧モードをオン!他の先生の回答を見て、コメント・いいねを送り合ってください。

ーぜひ、こんな視点でコメントしてみましょう

  • 自分の得意なことを苦手と書いている先生がいたら、「こうするといいですよ!」といったアドバイスを
  • 自分の苦手なことを得意と書いている先生がいたら、「どうやったらいいの?教えてください!」というコメントを

さすがスクールタクトヘビーユーザーの先生方、すぐにコメント・いいねが増えていきます。
お互いの意見を見合い、スクールタクト上でも対面でも、活発な対話や質問が生まれました。

コメント1 コメント2

3.記入の途中、講師が「回答一覧」「発言マップ」等から取り組み状況を見取り、声掛けをする

「A先生は、とても色々な人に、たくさんいいねやコメントをされていますね」
「B先生、すごい!この短時間で、50回以上、他の人の回答を見に行っています」
「D先生とE先生のキャンバスに、コメントが多く集まっていますね。ちょっと見てみましょう。」
発言マップを用いると、取り組み中にリアルタイムで閲覧・いいね・コメント数を把握することができます。
それを元に、注目されているキャンバスや、逆に取り組みが滞っている学習者を見取り、全体や個人への声掛けにつなげることができます。

発言マップの図

また、ワードクラウド機能を使って、集団全体の意見の傾向を見取ることもできます。
たくさん使われている単語だけでなく、気になる単語をピックアップして採り上げるのもよいでしょう。
(ワードクラウド内の単語をクリックすると、その言葉を使っているキャンバスが並んで表示されます)

ワードクラウドの図中心には「子ども」の文字

さて、このような様々な先生の視点・得意・取り組みに対する見取りを、どうしたら日々情報交換し、児童生徒へ還元することができるでしょうか?
後編では、スクールタクトを使って先生同士で手間なく情報共有する方法と、その活用法についてお送りします!

<後編はこちら


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