コードタクトでは、社内チームとして教育工学や教育心理学の研究をするメンバーによる教育総研を組織し、当社のビジョンである「個の力をみんなで高め合う学びの場」の創り出すための理論的・実践的研究を行っています。また、それらの研究成果をスクールタクトの機能に反映し、現場の先生と児童生徒の学びを支えるサービスの創出に努めています。

 今回、教育総研のメンバーで当社代表取締役でもある後藤の論文「CSCLを用いた学級集団分析手法の検討」が早稲田大学大学院教育学研究科紀要に採択されましたので、カンタンに内容をご紹介します。

 

背景

デジタル庁が2022年1月に「教育データ利活用ロードマップ」を発表しました。現在、GIGAスクールにより1人1台端末の利活用が始まったばかりではありますが、中長期的にみると、ICT機器の利活用だけでなく、様々なアプリケーションを使うことで生まれる教育データを効果的に活用していくことが重要です。

そこで教育総研は、教育データの活用方法について様々な研究や実証を行っています。

 

研究の概要

このような背景のもと、今回採択された論文「CSCL※を用いた学級集団分析手法の検討」では、スクールタクトで生まれるコメント・いいねなどの行動ログを用いて、学級内での児童生徒同士の人間関係を分析できる可能性について議論し、過去の論文からその新規性について述べたものとなっています。

※CSCLとは、Computer Supported Collaborative Learningの略で、スクールタクトのような協働学習ができる授業支援システムを指します

これまで学級の状況を把握するためには、教員の見取りや、児童生徒に対して学級満足度に関するアンケート調査を行うという手法が一般的でした。

教員の見取りについては一定の経験が必要であること、児童生徒へのアンケートは授業とは別の時間に質問に回答させる必要があるため、時間的制約やアンケート実施間隔が短いと児童生徒が回答する意欲が削がれるなどの理由で、年に 1, 2 回の実施となり、日常的な実態把握が難しいという課題もあります。

そこで今回の論文では、スクールタクトのような授業中に使うアプリケーションのログで、学級の状況を把握する手法を検討しました。

 

今後の展望

今回提案した手法を元に、いくつかの学校のご協力を得て実証研究を行っています。

その1つが以前も記事化した「活かし合う学級づくりをAIで支援 〜コミュニティ可視化・班分けAI実証報告」です。

実証に協力したいという先生方がいらっしゃいましたら、お問合せフォームよりご連絡ください。