コードタクトでは、社内チームとして教育工学や教育心理学の研究をするメンバーによる教育総研を組織し、当社のビジョンである「個の力をみんなで高め合う学びの場」の創り出すための理論的・実践的研究を行っています。また、それらの研究成果をスクールタクトの機能に反映し、現場の先生と児童生徒の学びを支えるサービスの創出に努めています。
今回、教育総研のメンバーで当社代表取締役でもある後藤は、ICTを活用した学級経営への新たな手法と分析を行いました。
また、本研究の成果を教育心理学年報に掲載の学会レポート「withコロナ時代における子どもたちの資質・能力を育成する協働学習の工夫―教科指導と生徒指導を統合するチーム学校の教育実践―」の一部となる「ICTを活用した協働学習」にて発表しました。
学会レポートについては、こちらから全文をご覧いただけます。
レポート概要
本学会レポートはコロナ禍の学校教育において、感染症対策とICTの積極的な利用、活用、そして協働学習をどう展開していくのかを考えることを目的に、複数の先進的な実践や報告をまとめたものです。
本レポートの一部として後藤が執筆した「ICTを活用した協働学習」では、当社とNTTコミュニケーションズ株式会社が合同で行った実証実験を通じて把握したICTの活用によるコミュニケーション手段の多様化がもたらす学級経営への効果をまとめています。
実証実験は、学校の朝の会で児童生徒がスクールタクトを使い行う「朝ノート」*の活動を対象に行いました。
朝ノートの活動におけるスクールタクトの行動ログを分析し、学級内の人間関係のつながりをコミュニティグラフとして可視化させると共に、学級状態に関する教員の感覚との比較や、学級満足度を測定する質問紙との相関性の検証などを行いました。
本研究を通じ「書くという間接的なコミュニケーション」により、普段コミュニケーションの中心にならない内気な児童が活発化すること(図1)や、コメントを貰うことが多い児童は承認感が高い傾向にあることなどがわかりました。
「ICTを活用した協働学習」では、これらの研究成果を公開しています。
*「朝ノート」とは
学級内の親密な人間関係作りを後押しすることを目的に、朝の会で児童がスクールタクト上に自身の体調や興味関心などを書き込み、学級内で相互に閲覧、コメントなどをし合う活動です。
図1 学級の人間関係のつながりを可視化したある月のコミュニティグラフ
レポート詳細
掲載媒体:教育心理学年報(2022年61巻)
発行:日本教育心理学会
タイトル:withコロナ時代における子どもたちの資質・能力を育成する協働学習の工夫
―教科指導と生徒指導を統合するチーム学校の教育実践―
掲載サイトはこちら
今後の展望
今後も本研究を発展させ、学校現場の先生と児童生徒の学びを支えるサービスの創出に努めていきます。
当社の実証に協力したいという先生方がいらっしゃいましたら、お問合せフォームよりご連絡ください。